【運動の促し方】健康は手段【介護福祉士ブログ】

『健康のために』運動をしてもらうには

私は健康志向です。

このサイトを運営していることからも察しが付くと思いますが、健康であるために気を使いながら日々を過ごしています。

この健康主義生活は気づいたら始まっていました。栄養士の母が食事を作るときに「栄養が~」と口癖のように言っていたことがきっかけかもしれません。

何気なく始まってしまった健康主義生活なので、特に意味合いを考えることなく、と言うか健康であること自体が目的になってしまっていました。

そのときは世間一般的に健康であろうとするのは普遍的な価値観だと思っていたのですが、社会に出るにつれてそうでないことを徐々に感じるようになります。

このことを特に顕著に感じたのは、介護業界にかかわるようになってからでした。

高齢者の方は『健康のために』という言葉は好む傾向に感じます。

しかしながら、「健康のために運動をしましょう!」と言っても渋い顔をされることがほとんどであり、『健康のために』やることは『楽』とセットでなければ乗り気にはならないということが次第にわかってきました。

運動の目的は身体機能の維持がメインになると思います。高齢者の生活というのは、家事などの家庭内の役割から離れることにより活動量が低下します。

このとき、特に問題視されるのは筋肉量の低下です。

筋肉がつくプロセスは負荷への適応によって引き起こされるので、筋力低下の原因というのは、生活の中で活動量が減り日常的な負荷が低下することだというのがわかります。

よって、高齢者の方が求める『楽で健康のための運動』というのはそもそも存在しないのです。

では、そのようななかでも健康のために運動してもらうには何が必要か。

それは『将来の話』をすることです。

高齢者の方に将来の話というとピンと来ないかもしれませんが、例えば「家族や旅行に行けたら」「ひ孫の顔見たくありませんか?」というように体が元気でなければ体験できないような幸せな出来事をイメージできる話です。

もちろん、ご本人の状態によって内容は合わせていかないといけませんが、こういった話をすることで目的になってしまいがちな『健康であること』を『将来の話』を叶えるための手段に変換することができるのでご本人のモチベーションが作りやすくなります。

最初はぼんやりとした例え話でしかありませんが、とりあえずの動機さえ作ってしまえば、運動によって歩くのが楽になったり、手先が器用に使えるようになった等の具体的な効果というのはご本人が体感してきます。そこまでいってしまえば運動に対する関心というのは上がってくるのでこちらとしては、身体機能が維持されるような正しい運動というのを教えていくだけになります。

1983年に長野県下伊那郡高盛町で生まれた『ピンピンコロリ』という言葉は、『亡くなる直前まで病気に苦しむことなく、元気に長生きし、最後は寝込まずにコロリと死ぬこと』を指します。

実際、身近な高齢者の方と話をしていても「夜に普通に眠ってそのままいけるのが一番」という言葉はよく耳にします。

基本的には渋い顔をされる運動ですが、ピンピンコロリには必要不可欠なものです。

できるだけ前向きに取り組んでいただくための一助として今回の話が参考になれば幸いです.

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