運動は自信を取り戻す作業【介護福祉士ブログ】

高齢者の運動指導を行っていると、運動機能の回復は自信の回復にもつながることを実感します。

昔は簡単にできた歩くいたり、立つことができなくなってしまうことの精神面への影響は教科書上でも言われることだが、現場で多くの高齢者に接しているとその影響は思っていたより大きく感じます。

世代的につっけんどんな方が多い傾向がありますが、そういった方であっても運動機能が回復するにつれて、態度が柔らかくなったり、弱音をちゃんと吐いてくれるようになるシーンが見られます。

特に弱音の部分は、「まさかこの方がこんなことを言うなんて。」というような驚きがあるで印象が強いです。

「あたし、頭が悪いから。」

その方も類に違わずつっけんどんな方で、それまで口にするのは、~ができないというような動作に関することばかりでした。

運動訓練に取り組んでいき、動作面で問題が少なくなってきたころ、口癖になってきたのが「あたし、頭が悪いから。」という言葉。

一見すると弱音を口にしているように思えますが、運動に自信がもてるようになったことで新しい問題点か問題の強度が低い部分が表面化してきたようにも感じました。

その方はつっけんどんながらもユーモアがあってお話を楽しくされる方なので、頭が悪いとは思いませんというようなことは伝えつつ「頭が悪いとしても楽しく過ごせることも立派な力ですよ。」と、お伝えしました。いくらかほぐれた表情を見たときに、介護の仕事の良さを教えてもらった気がします。

介護のメインは介助にあるため、そればかりをどうしても重視してしまいますが、ご本人が自信を取り戻せるような取り組みもそれと同じくらい大切なのではないでしょうか。

そしてそれは、体に元気がないと難しい事のようにも思います。

自信を取り戻す作業の第一歩として運動は継続していただきましょう。

ただ、孤独な戦いにしないために「私は○○さんに元気になってほしいんです。」というような言葉も添えていただければと思います。

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