老後を見据えた対物の趣味さがし
解剖学者の養老孟子先生が対物の趣味は良いと発言されていて、なるほど、と思いました。
なぜなら、デイサービスで勤務しているとそう感じるシーンを見ることは少なくないからです。
退屈そうに過ごしている方とそうでない方の違いの一つとして、会話の話題があるかどうかはかなり大きいように思います。
高齢者の生活というのは変化に乏しく、会話の話題は得づらくなってきます。話の中心は家族、天気、テレビ、持病、どこが痛いなどの話題がほとんどで、慢性的な自分に起こっていることか、人以外から与えられる外部の情報になりがちで会話をしている本人たちもあまり楽しそうではありません。
しかしながら、会話をしていてぱっと楽しそうな雰囲気が流れることがあります。
それは趣味の話です。
ある人は世話している植物に花が咲いたと嬉しそうに話し、ある人は好きな歌手のビデオを見たと顔を明るくします。聞く方も「どんな花が咲いたの?」「その人、私も好きだわ!」と、普段は見られないような感情が入った質問や共感を口にされます。
自分がやりたいと思ってやっていることは人と他人を生き生きとさせるものなんだなと思わされるシーンですが、自分にはそういったものがあるだろうかと考えると無い。
そこで昔から好きですが本腰を入れてなかった絵を極めてみようと久しぶりにデッサンをしました。
題材はたまたま近くにあったパソコンのマウス。中学生のころに習った鉛筆の使い方を思い出しつつ書き進めて出来上がりは案外といい感じ。と、思いきやよくよくみたら右向きのマウスが紙の上では左向きに…。何を見ながら書いていたのやら…。
失敗の原因は、目に映ったものではなくて頭の中のイメージで書きすぎたことだろうと思いますが、一回やってみただけの私が考えたことがあってるとも限らないので、あまり考えすぎずにまた練習をしてみたいと思います。