老いを知ることが家族を守る
老いるということに対して良い印象を持っている方は少ないでしょう。
高齢の方を相手にしていると、自分が覚えられなくなってしまうことやできないことが増えていくことに対して認められている方とそうでない方に二分されているように感じます。
そして、前者に比べて後者の方は他人に対しての攻撃性が高いケースが多く見受けられます。
老いというものは決して良いものではないでしょう。30歳の私からしてみても想像に難くないですし、実際に年を取っている方からすればなおさらだと思います。
しかしながら、老いをあまりに否定してしまっていると前述の通りに攻撃性のある高齢者になってしまう確率を上げていってしまうのではないかと考えます。
攻撃性の高い高齢者は、介護者に危害を加えたり、モラハラは平気で行ってきます。そのような段階になってしまうと認知症を発症している場合がほとんどであり、倫理観に訴えた改善は継続した効果をほぼ望めず、介護者の工夫によって危険行動のきっかけになることを避けるようにする処置がとられるようになります。
もちろん、そのような段階になってしまえば高齢者側には責任は発生しないでしょう。ですが、自分自身が高齢者になったときにそのような行動をとってしまうリスクを下げる方法があるとすれば、知りたいと思う方がほとんどではないでしょうか。
個人的な意見としては、認知症リスクを下げる取り組みを若いうちから始めること、また老化し亡くなるまでにどのような出来事が起こるのか知り、享受することが必要だと考えています。
これは子供から大人になったり、新人から管理職へ、親になることなどで役割が変わるのと同じように年齢を重なるうえで必ず必要になってくる過程ではないでしょうか。
目をそむけたくなる部分ではありますが、しっかりと向き合わなければ認知症の予防や身体能力の維持などは面倒くさくて真剣に取り組むことは難しいです。
介護の現場で起きている問題は当事者でなければ、実感することはないでしょう。しかし、認知症高齢者による傷害は介護業界で問題になっていることや責任を追及ができないがためにうやむやになっている部分が多い事をこのページを見た方には知っていただきたいと思います。
また、ご自身が加害者になってしまい、ご家族を傷つけてしまわないように老いる準備はあらかじめしていただければと思います。