現場に立つ介護福祉士が思う認知症高齢者に接するときに意識すること

認知症高齢者は否定されるのが苦手

認知症を患った方が苛立ったり怒ったりと情緒が不安定になるケースは他人から否定されて起こることが多いです。

例えば、施設から勝手に家に帰ろうとする方に「帰っちゃダメです!」「じっとしていてください!」等の声かけをしてしまうと、『なぜ帰ってはいけないのか』『指図される筋合いはない』などの反感を生み、怒り出してしまいます。

否定しない声かけとは?

反感を買わない為には、その方がなぜ帰ろうとしているのかについて理解をすることが大切です。『息子が待ってるから』『家事をしなきゃいけないから』『鍵を閉めてくるのを忘れたから』など、具体的な理由をお持ちの方が多いです。多くはその方の妄想(作話)なので事実じゃない場合がほとんどなのでそのことは解決済みや心配する必要がない理由をこちらからお話しすると良いです。

具体例

『小さい息子が待ってるから』→「息子さんはお父さんが見てくれてますから安心してください。」

『家事をしなきゃいけないから』→「今日は娘さんがもう済ませてくれたそうですよ。」

『戸締まりしてくるのを忘れた』→『迎えにいった職員が確認して代わりに締めてくれてましたよ。』

訴えがどんなに事実に沿っていなくても、その方の世界観に沿って納得する理由をつけると落ち着いてくれるパターンがほとんどです。

注意しなければいけないのが単純にその場に居たくないから代わりの理由として上記の訴えをする場合があると言うことです。

この場合は暇だと感じていることが多いのでお話を聞いたり、遊ぶなどの対応が必要となります。

認知症の症状は人それぞれ

その方が何を不安や不満に思って訴えをしているのかを見抜くには日頃の様子がヒントになります。

その方の生活、家族背景やバックボーンを頭に浮かべながら適切な声かけを見つけられればその後の介護が楽になります。

人手不足や在宅の難しさが浮き彫りとなっている介護業界ですが、いろいろな工夫をして一緒に頑張っていきましょう!

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